環境が変わり、仕事が覚えられない、ミスを連発するということはよくあります。
- 社会人1年目
- 転職したところ
- 異動したところ
- 転勤したばかり
このように環境が変わり、慣れない仕事を日々こなしていくことは、大変なストレスとなるでしょう。
仕事ができないから、上司に怒られたり、同僚とも馴染めない、という悪循環が起こりがちです。
- 『仕事のストレスが限界で仕事を辞めたい!』
- 『でもこれって甘え?』
- 『ストレス限界ってどういう状態?』
こんなふうに思っていませんか?
そして、仕事がストレスで限界の時、どうしたらいいのか。
私は心理カウンセラーとして、多くの人の悩みをカウンセリングしてきた経験を基に、この記事を書きました。
この記事を読むことで、今のあなたは精神状態は「普通」なのか「異常」なのか、その判別に悩むことがなくなるでしょう。
さらに、
仕事を辞めたい時の、「心が軽くなる考え方」や「取るべき行動」に加え、今後、あなたが安心して無理なく仕事をしていく為のポイントもお伝えします。
この記事を読み終えたときには、心が軽くなり、今後仕事とどのように向かっていくとよいのかが分かることでしょう。
目次
ストレスが限界かどうかの見極め方
- 長時間労働
- 低賃金、ボーナスなし
- 体力的な辛さ
- 上司に怒られる
- 仕事の進め方がわからないが、上司が怖くて質問できない
- 仕事が終わらない
- 相談できる人もいない
- 休日も仕事のことを考えては、あっという間に過ぎる
- 身体がだるい、不眠、食欲不振、頭痛、胃潰瘍
- 頭がぼーっとして、仕事に身が入らない
こうなると、ストレスが限界!自分が壊れそう。
もう会社に行きたくないし、仕事を辞めたくなりますよね。
でも、辞めるのは自分が甘えているだけで、ストレスの限界なのかもわからない。
ストレスの限界の状態ってどういう状態?
答えは、あなたが限界だと思ったら限界なのです。
例えば、下の図をご覧ください。
全然ストレスなく、安心して自信を持って過ごせる状態を0点
もう限界!これ以上耐えれません!ストレスMAX!という状態を10点
だとしましょう。
今、あなたは自分で何点だと思いますか?何となく直感で点数をつけてください。
もし、9点、10点だとしたら、ストレスの限界と思ってください。
ストレスが限界な状態かどうかというのは、客観的な指標ではないのです。
あなたの主観です。他人がどうこう言う話ではありません。
もしかしたら、他人はこんなことを言うかもしれません。
- 「せっかく入った会社なんだからもうちょっと頑張ったら?」
- 「みんな頑張ってるんだよ」
- 「働くことは我慢すること」
- 「まだ入社して1年目だから、仕方ないよ」
そんなこと言われても、ストレス限界!!(ですよね?)
だから、他人の声は関係ないんです!
あなたが限界と感じているなら、限界なのです。
これ以上、我慢して続けると、本当に身体を壊してしまいます。
ある日、突然、朝起きれなくて、会社に行けなくなって、そのまま休職。
こういうケースは少なくありません。
したがって、まずは自分が今、ストレスの限界であると自覚することが大切です!!
ストレスで仕事を辞めるのは甘え?
「仕事がしんどいのは、お前だけじゃないんだ!俺だってしんどいんだぞ!」
「甘えてるだけしょ!?」
他人から見るとそんな風に思われるかもしれませんよね!?
身体症状が出ているならまだ理解してもらいやすいかもしれません。
例えば、胃潰瘍、頭痛、不眠、食欲不振、倦怠感、集中力・記憶力が落ちる、ぼーっとして頭が回らないなど。
しかし、そういった身体症状もない。一応、身体は元気。
そうなると、「甘えてるだけと思われる」と考えてしまうかもしれません。
仕事を辞めることが甘えかどうか。
これは捉え方の問題です。
甘えと思えば甘えになるし、甘えじゃないと思えば甘えじゃない。
「それは甘えだ」と言う人もいれば、「それは甘えじゃない」という人もいるということです。
だから、甘えているかどうかを議論しても意味がないのです。
ここでは、甘えているかどうかという話は、一旦、横に置きましょう。
では、「仕事を辞めるなんて、ただ自分が甘えてるだけなんじゃないか」と思うとき、心の中ではどんなことが起きているのかを見てみましょう。
- 仕事を辞めたい=心の叫び
- 甘えじゃないか=頭の声
もうストレス限界!
仕事辞めたい(>_<)
でも、こんなことで仕事を辞めるなんて、甘えてるのかな。自分は弱い人間なのかな(;_;)情けない。。。今仕事を辞めたら、転職先もないしなぁ。。。
このように、頭の声で、心の叫びを必死で抑えようとしている状態です。
暴れ馬を力ずくで押さえつけようとしていのと同じです。
もし仮に、暴れ馬を力づくで押させつけたとしましょう。
暴れ馬がおとなしくなり、動かなくなる、抵抗しなくなる。
それはあなたの心が死ぬのと同じことです。
心がない、喜怒哀楽を感じなくなるのと同じです。
あるいは、
犬が海で生きようと頑張っているようなものです。犬は陸上で生きるもの。犬が海で頑張って生きようとするから無理がある。
今のあなたの状態は、犬が「海で生きることができないのは、自分が甘えてるからだ」と言っているのと同じです。
心の叫びより、頭の声を優先して、身体にムチを打って、今の職場で働き続けることで、心が死にます。
それはうつ状態になることを意味します。
だから、あなたの心身の健康を第一に考えるなら、心の声を無視せず、大切にすることです。
つまり、「仕事を辞めたい」という思いを大切にすることです。
自分はうつ病なのか?
仕事のストレスが限界で、自分はうつ病なんじゃないかと疑うことがあるかもしれません。
自分が壊れそうで、自分がおかしいんじゃないかとさえ思うかもしれません。
うつ病のチェックリストが当てはまったりすると、なおさらそう思うかもしれません。
結論としては、自分がうつ病かどうかは、あまりこだわらなくていいのです。
うつ病であっても、うつ病でなくても、
いずれにしても、「今の環境はあまりにもしんどい環境」ということには変わりありません。
先ほどの、ストレスチェックの10段階評価でMAX10と自己評価しているのであれば、今の環境はあなたに合っていないのです。
もし仮に、うつ病じゃなかったとしましょう。
うつ病じゃないからと言って、今の状態のまま仕事を続けるというのは、適切な判断とは言えません。
逆にうつ病と診断されることで、あなたが仕事から距離を置けるなら、病院に行って診断書をもらったほうがいい。(うつ病と診断されるかは分かりませんが)
もし、うつ病じゃなかったとしても、現状のストレスで限界の状態が続くようなら、うつ病になるのは時間の問題と考えたほうがいいでしょう。
だから、うつ病かどうかは問題じゃないんです。
私たちは、病気にならないと病院にいかない。当たり前と言えば当たり前かもしれませんが。
それでいいのですか?
うつ病になって、動けなくなって、働けなくなってから対応するよりも、今の段階で対応したほうがいいと言えます。
仕事を続けるか辞めるかの判断
仕事のストレスが限界という時、現状の選択肢としては3つ。
- 仕事を続ける
- 仕事を辞める
- 仕事を続けながら、環境を調整する
それぞれメリット・デメリットを見ていきたいと思います。
(a)仕事を続ける
<メリット>
- 収入が入ることで、生活が安定する
- 家族や友人・職場の人から色々言われず済むので自尊心が保てる
- 転職活動しなくて済む
<デメリット>
- いずれ身体を壊す
(b)仕事を辞める
<メリット>
- ストレスが減り、心身への負担が減る
- 自分らしい生き方への軌道修正ができる
<デメリット>
- 収入が不安定になり、生活が不安になる
- 周囲からの声や目が気になる
- 親や会社に対して罪悪感を感じる
- 自己嫌悪に陥る
- 転職活動に労力がかかる
(c)仕事を続けながら、環境を調整する
- 配置転換
- 仕事を手伝ってもらう
- 仕事量を減らしてもらう
- 勤務時間を減らす
- 勤務日数を減らす
現状の仕事のストレスが限界の状態では、いくら仕事を頑張っても、いくらストレス発散をしても、現状は変わらないですよね?
となると、環境を変えるか、環境を調整するしかないのです。
したがって、最初の選択肢としては、まず(c)です。
とにかく、「今しんどい!限界です!」という意思表示をすることが大切です。
そのうえで、環境を調整できないかを検討することです。
正直に現状の自分の状態を上司に話して、仕事量を減らしてもらう。あるいは、仕事を手伝ってもらえないかを相談する。
それができないなら、配置転換をしてもらう。仕事内容や人間関係が変わるというのは、新たなストレスにはなりますが、現状維持よりはマシです。
それができないなら、勤務時間や勤務日数を減らしてもらう。
「いや~そうは言っても。。。」と、なかなかそれができないという人もいるでしょう。
(c)が難しいのであれば、次の選択肢は(b)です。
仕事を辞めることです。辞めて、少し休んで、転職活動をするのがよいでしょう。
「仕事や周囲の目」と「自分の健康」どちらを優先するかを考えてみてください。
仕事を優先している間は、ストレスから抜け出すことは困難だと思ってください。
仕事を辞めて、ストレスの元となる環境から離れることで、ストレスはかなり減ると思います。
ただし、(b)のデメリットで挙げているように、仕事を辞めても、心理的なしんどさが残る可能性があります。
それによって、転職活動ができなかったり、一人で抱えきれないようでしたら、心理カウンセリングを受けて、メンタルケアをすることが役立ちます。
仕事を辞める時の心の持ち方
会社を辞めるとなった場合、就業規則により、事前に申し出る必要があることでしょう。
思い切って、退職を希望している旨を上司に伝えましょう。
仕事を辞めると腹をくくった段階で、「もう今の職場で働かなくていいんだ」と思えるだけでも、ずいぶん気持ちは軽くなるものです。
上司や同僚の関わり方も変わってくることもあるでしょう。
業務の引き継ぎがあるなら、退職までにできる限りのことをしましょう。
しかし、仕事を辞めれない理由として、次のような心のブロックがあるかもしれません。
- 仕事を辞めたら、次就職する会社が簡単に見つからないんじゃなか
- 転職するにしても、やりたい仕事がない
- 今仕事を辞めたら、会社や職場の人に迷惑がかかる
- こんなにすぐに辞めるなんて、自分は弱い人間だ
- この先の人生、どうなるんだろうと不安になる
- 親や職場の人に色々言われるに違いない
あれこれ考えてると、仕事を辞めれません。
おさらいですが、
仕事よりも自分の心身の健康を優先すべきです!
- すぐに転職先を見つけなくていい。ゆっくり見つけたらいい。
- やりたい仕事がなければ、とりあえず、できる仕事をしたらいい。
- 会社や職場の人に迷惑がかかるかもしれないが、それは会社が何とかすればいいこと。何とかするのが会社の役割。辞めた後のことまで考えなくていい。
- 自分は弱い人間ではなく、単純に職場が自分に合ってないだけ。
- この先どうなるかなんて、いくら考えても答えはでないので、考えても仕方ない。
- 親や職場の人に何を言われても、勝手に言わせておけばいい。私は私、あなたはあなた。
仕事を辞めても、人生なんとなかなります!
とりあえず明日、仕事を休もう
風邪なら休む理由になるのに、ストレスによるメンタル面の辛さは休む理由にならないという概念が、一般的にあるところ辛いところですね。
ストレス限界の今、あなたは働ける状態なのかどうか。
風邪もストレスも、体調不良なことには変わりないのだから、思い切って、体調不良と言って休みましょう。
本当に今のまま仕事を続けることが、ベストな選択なのか。冷静になって考えてみましょう。
もし身体症状が出ているなら、心療内科に行くだけ行って相談してみるのも一つです。
眠れないのであれば、入眠剤など薬を使ってでも、眠れたほうがいいので、医師に相談してみてください。
では、下の図をご覧ください。
図の左側のように仕事に圧倒されている状態では、休むことに罪悪感や抵抗感を感じるでしょう。
ここでは仕事に対する捉え方のイメージを変えることが役立ちます。
図の右側のように、人生において、仕事は一部なのです。仕事を休んだからと言って、人生が終わりではありません。
もう一度言いますが、自分の健康を第一に考えましょう。
転職する際の3つのポイント
①やりたい仕事がなければ、無理なくできる仕事を選ぶ
転職する際に、やりたい仕事がないというのは多いと思います。
そういう時は、無理なくできる仕事を選んだほうが無難です。
仕事を「人間関係」と「仕事内容」に分けた時に、仕事内容が無理なくできるというのは、仕事をする上で、非常に重要だからです。
専門職であったり、業務が多岐に渡ったり複雑な仕事は、自分の能力で処理できないことがあります。
仕事ができないから、人間関係が余計に辛くなるという悪循環が起こりやすので、比較的シンプルな仕事を選んだほうが無難と言えます。
②同じ職種で選びたいなら、雇用形態を変えるのも一つ
専門職として働いてきた人が、まったく畑違いの仕事に就くことに抵抗があるかもしれません。まして大学や専門学校を卒業して、社会人1年目で転職となると、「せっかく学校に出たのに」と思うかもしれません。
あるいは、これまで続けてきた仕事を辞めるとなると、自分にできることって、限られてくる。今さら新しい知識やスキルを身に付けて、採用してくれる会社もあるかどうかわからない。
今までやってきた仕事、職種は変えずに、別の会社で働くというのも選択肢の一つではあると思います。正社員で働くことも一つですが、それが難しいのであれば、契約社員やアルバイトなど、雇用形態を変えるのも一つだと思います。
そのほうが心理的な負担が軽くなるのであれば、雇用形態を変えるのも選択肢の一つとして、考えてもいいのではないでしょうか。
③転職する際の、退職理由や志望動機は前向きに!
実際仕事がきつくて、人間関係がきつくて退職するにしても、転職先にそのことを伝える必要はありません。言うメリットがないからです。ウソは良くないですが、言わないというのはOKでしょう。
採用する側としては、前向きな人と、やる気のない人なら、やはり前向きな人を採用したいところ。
今の会社を体調不良で辞めてもいいのですが、転職先では前の会社の愚痴や不満を言うより、「ステップアップしたい」「心機一転がんばりたい」という前向きな思いを伝えるほうが、お互い円滑に話が進められると思います。
今後、安心して仕事をする為に必要な2つのこと
転職する際のポイントとして、述べましたが、今後、無理なく仕事をする上で、環境以外にも大事なことがあります。
それは自分の心の持ち方です。ストレスを生みにくい考え方や行動ができるかどうか。
ストレスを生みにくくするための2つの実践についてご紹介します。
①全力で自分を肯定すること
新しい環境で、慣れない仕事をするとなると、仕事ができなくて当然なのですが、どうしても自分の立場が下に感じてしまったりして、自分を責めてしまいがちです。
- 人に迷惑をかけてしまう自分はダメだ
- 仕事ができない自分はダメだ
『仕事でミスをする=自分はダメ』
『能力がない=人格否定』
このように自分を全否定するパターンに陥ると、いくら環境を変えてもしんどくなるでしょう。
だから、全力で自分を肯定することが大事です。
- どんな人でも失敗する
- 最初はできなくて当然
- できないものはできない。
- 自分がダメではない。
- できないこともあるけど、私は私が好き
『私は私でOK。ただ、失敗することもある』
このように考えるとよいでしょう。
②わからないことは質問すること
仕事をするうえで、報告・連絡・相談がしっかりできていると、コミュニケーションがとれて、人間関係がうまくいきやすいですね。
しかし、
- わからないことをわからないと言えない。
- わからないことを質問できない。
- 困っていることを相談できない
ということが、よくあります。
- 上司に聞いても、まともな答えが返ってこない
- 質問・相談できる雰囲気じゃない
- また怒られるんじゃないかと思うと質問できない
- 「そんなこともわからないの?ダメな奴」と思われるのが怖い
では、そもそも仕事って誰の為にするのでしょうか?
会社の利益やお客様の為ですよね?もちろん、自分や家族の生活の為というのもあるでしょう。
よく考えて欲しいことは、自分がわからないまま仕事をすることで、会社やお客様に不利益を与えることになる、ということです。
わからないことを、わからないと言えずに、仕事ができないというのは、突き詰めて考えると、会社やお客様の為にならない。
上司が怖くて質問できない時は、「質問しないことで、会社やお客様に不利益が生じる」「質問することは業務上必要なこと」と考えて、
淡々と質問しましょう!
自分がダメとか、上司が嫌いとか、上司が怖いとか、一旦横に置いて、会社やお客様の為に、淡々と質問する。
ぜひこのようなマインドでお試しください。
まとめ
ここまでこの記事で述べてきたことをまとめます。
- まずは今、自分が限界の状態にあると自覚すること
- うつ病であろうと、うつ病でなかろうと、まず環境を変えることが大切
- 仕事を休んでも、仕事を辞めても、人生終わりじゃない。
- 自分の健康を第一に考えよう。
人生、いつでもやり直せます。再スタートすることを恐れず、受け入れましょう。
それが今後、自分らしく生きていく上で、大切なことと言えるでしょう。