人が怖いという場合、特定の上司や恋人が怖いのか、それとも、不特定多数の人が怖いのか。
それによってアプローチや対処の仕方が変わってきます。
この記事で、「人が怖い」という悩みを、一般的な特定の人が怖い場合と、対人恐怖症の違いについて触れた上で、それぞれの対処法をご紹介します。
こんにちは。心理カウンセラーの大城ケンタです。よろしくお願いします。
目次
「人が怖い」と「対人恐怖症」の違い
特定の人が怖い
仕事で失敗して上司に怒られた。次の日も同じように上司に怒られた。
すると、その上司に対して「怖い」というイメージが定着する。
仕事が終わって家に帰っても、上司に怒られた言葉が頭をよぎる。そして、また明日も怒られるんじゃないかと考えて、気持ちが落ち込む。
「また怒られたらどうしよう」
それが通常の人の「人が怖い」という心理です。
ところが、上司以外の人は別に怖くない。
もちろん、上司に怒られている自分が、同僚からどう思われてるのか気になるかもしれません。
でも、友達や全く知らない人が怖いということはない。
特定の人が怖い。
それが通常の「人が怖い」という悩みです。
対人恐怖症
一方、対人恐怖症の人は、不特定多数の人が怖い。
特に何か自分が失敗したり、嫌われるようなことをしていないのに、人が怖い。
もちろん、怖さの程度は人によって違います。
Aさんもとても怖いが、Bさんはまだマシ。そういうことはあるでしょう。
しかし、仕事関連の人をはじめ、友達、レストランやコンビニの店員まで、不特定多数の人が怖い。
「この人は私のことを嫌っているに違いない」
「この人は私のことを変な人と思っているに違いない」
このように相手の心を深読みするのが対人恐怖症の特徴です。
又、
「自分が居ないところで、陰で悪口を言われてるんじゃないか」
「職場でヒソヒソ話をしている人たちを見ると、自分のことを話しているんじゃないか」
このように疑う人もいます。
上司の叱責がトラウマ(特定の人が怖いケース)
ここでは上司について取り上げますが、上司だけでなく、姑が怖い、先生が怖い、など特定の誰かが怖い場合の対処法についてご紹介します。
トラウマになるくらいの怖さということは、感情的に怒られたとか、みんなの前で大声で怒鳴られたとか、よほどインパクトが強いものと思います。
感情的な上司にどう対応したらいいか。
そもそも、相手が感情的ということは、まともな話し合いができない可能性が高いです。
そんな時は以下の4つの方法を試してみてください。
第三者に相談する
上司が理不尽に感情的で怖い人であれば、上司よりもさらに上席の人などに相談して、助けを求める。
上司と1対1の話し合いだと、上下関係があるため、対等に話し合うことが難しいです。
第三者を交えて、話し合いの場を持つことで、冷静な話し合いに持ち込みましょう。
いじめは狭い世界で起こります。第三者の力を借りることで、関係性を変えていくことが役立ちます。
仕事以外の話を増やす
上司と仕事の話しかしないという人も多いかもしれません。仕事の場だから、当然と言えば当然かもしれませんが。
でも、上司も人間です。
自分のことに興味を持ってもらえたら嬉しいし、自分のことを話せたら嬉しいものです。
だから、仕事の話だけでなく、プライベートな話をしてみましょう。
最初はちょっとした一言や雑談程度でOKです。
例えば、
・「〇〇さん、おはようございます」と、挨拶の前に名前を呼ぶ。(多くの人は自分の名前を呼ばれると嬉しいものです)
・「今日も暑いですね」と、普段は言わないけど、あえて言ってみる。
・「休日はどんなふうに過ごされてるのですか?」と、聞いてみる。
・最近のニュースの話題などを、話してみる。
・昼食のメニューについて話してみる。
とにかく、何でもいいので、仕事以外の話をすることで、信頼関係を築く努力をしてみてください。
感謝していることを伝える
どんなに嫌な上司や、どんなに怖い上司であっても、何かしら感謝するべきことがあるはずです。
これも上司との関係性のパターンを変える行動になります。
「仕事でミスが続いているのに、毎回フォローして下さって、ありがとうございます」
「なかなか仕事が覚えられない私に、根気強く教えてくださり、ありがとうございます。感謝しています」
「日頃、ご迷惑を掛けてばかりなので、よかったらどうぞ」と、差し入れのお菓子やコーヒーを渡すとか。
こんな感じで、どんな些細なことでもいいので、上司に感謝できることを探して、それを言葉で伝えてみてください。
「上司=怒る」という図式を崩すことで、あなたへの関わり方に変化を起こすことを目指します。
環境を変える
それでも関係性が変わらないとか、まともに話し合いができないような上司であれば、環境を変える必要があります。
職場内での環境を変えるのか、転職することになるのか。
いずれにしても、仕事よりもあなたのメンタルのほうが大事です。
環境を変えるというのは、非常に大きな決断になることもあるでしょうが、仕方がないですね。
環境が変われば、うまくいくケースは多くあります。
セクハラがトラウマで男の人が怖いケース
過去に男性からセクハラを受けた。
職場の人や合コンで知り合った男性に体をベタベタ触られた。
無理やりキスされたり、性的関係を強要された。
そうすると、「男の人は性的対象で自分を見てるんじゃないか」と思ってしまう。
そして、男性が怖い。
男性への恐怖心を克服する
男性が怖いという女性は、当然ですが、男性に対して安心感がない。
安心感は、心が通じ合っている時に生まれる。
心が通じ合う為には、お互いが心の中で思っていることを言う。思っていることをテーブルの上に出すようなイメージです。
心の中で何を思っているかわからない状態では、安心できません。
女性は男性と違って、安心感があって、その上でスキンシップをしたいと思うものでしょう。
まずは自分が不安に思っていることを伝えてみたり。
お付き合いした男性がスキンシップを求めてきて、それが嫌なら、正直な気持ちを伝えてみましょう。
そして、あなたのことを理解し受け止めてくれる人であれば、男性に対する恐怖心を一緒に克服していくことができるのではないでしょうか。
対人恐怖症の克服方法(不特定多数の人が怖いケース)
人と話すのが怖い原因
対人恐怖症は特定の人だけでなく、不特定多数の人が怖いというのが特徴だと述べました。
従って、通常の「人が怖い」という悩みとはアプローチの方法が違います。
対人恐怖症の人は「自分は変な人だ」「自分は気持ち悪い人間だ」「自分は魅力的じゃない」と、強く思っています。
だから、他人も自分のことを「変な人だ」と思っているに違いないと、相手のことが異常に気になります。
アプローチとしては、対人関係を変えるより、まず自分を受け入れることにあります。
- 自分は変な人間じゃない
- 自分は普通だ
- 自分はこれでいいんだ
こんなふうに思えるようになると、相手に対する恐怖心が減ります。
自分を受け入れる方法
ネガティブな感情を感じる
対人恐怖症の人は相手の心を深読みしすぎです。
相手のことを考えるより、自分のことに集中しましょう。
まずは「愚痴や不満を言う練習」をするといいです。
あなたも誰かに対する不満や愚痴の一つや二つくらいあるでしょう。
それを言う練習をしましょう。
それが自分を取り戻し、自分を受け入れていくことに役立ちます。
愚痴を言う相手がいない人はノートに書いたり、ツイッターなどの匿名のSNSでつぶやくのもいいでしょう。
ポジティブな感情を感じる
好きなことは人それぞれです。
例えば
- 好きなスポーツの動画を見る
- 好きな音楽の動画を見る
- 絵を描く
- マンガを読む
- 自然の中に出掛ける
できれば、あまり頭を使わなくて、心で感じることのほうがより良いです。
対人恐怖症の人は、頭であれこれ考えすぎです。頭を休めて、何も考えずに楽しめることが理想的です。
感情を感じる練習をしていけば、頭であれこれ考える癖が和らいで、対人恐怖症が改善していきます。
人が怖くて仕事ができない「対人恐怖症」の方へ
「得意な仕事」と「好きな仕事」
仕事は人間関係を除けば、「得意な仕事」「好きな仕事」をすれば、楽しく仕事ができます。
どちらが欠けてもストレスになります。
人が怖い人は、まず「得意な仕事」を選んだ方がいいです。
今の症状があっても、無理なく働ける仕事です。
無理なく働ける仕事をしつつ、対人恐怖症を克服する。
その後、本当に好きな仕事に就くというプロセスが理想的ですね。
まとめ
特定の人が怖い場合は、その人との関係性を変えるアプローチをします。
対人恐怖症の場合は、対人関係の関わり方よりも、まず先に自分を受け入れる、自分を取り戻すことが必要です。
詳しくご相談されたい方は、まずは下記のライン@へご登録ください。