<人が嫌いというお悩み>
- 人と話していても楽しくないし、疲れる
- 職場で嫌いな人がいる
- 人が信じられない
- でも、一人は寂しい、虚しい
これから何十年と生きていく上で、人が嫌いだと、生きていくこと自体が辛く苦しいものになります。
一人では生きていけないし、一人で幸せを感じることはできません。
心をオープンにして、信頼できる人と、喜びや苦しみも分かち合うからこそ、人生は充実したものになるのです。
この記事では、人嫌いの人が、どのようにして、人と楽に関われるのかを、心理カウンセラーの立場からご紹介します。
この記事を読むことで、人嫌いを克服する具体的な方法がわかり、日常で意識しながら取り組むことで、人と楽に関わることができるでしょう。
目次
人が嫌いというお悩み
そもそも、なぜ人が嫌いなのでしょうか?
- 親に否定されて、親が嫌い
- 学校でいじめられて、友達が嫌い
- 恋人には浮気され、恋人が信用できない
- 失恋続きで、恋愛に希望が持てない
- 職場で上司に怒られる
このようなことがあれば、人を信じられなくなったり、人が嫌いになっても無理はないでしょう。
- 誰にも心を開けない
- 友達も恋人もいない
- 会社や家でも居場所がない
人が嫌いという悩みに伴うこと、それは、
・一人ぼっちで寂しい
・将来に希望が持てない
いくら人が嫌いと言っても、やっぱり、友達も欲しいし、恋人も欲しい、結婚もしたいというのが本音ではないでしょうか。
孤独というのは、とても辛いものです。そして、その孤独な状態がこれからも続くと思うと、何のために生きているのかわからなくなってしまいます。
今後生きていく上で、人が嫌いというのは、どう考えてもプラスにならない。
従って、幸せに生きていく為には、「人が嫌い、人を信じられない」という悩みを解決する必要があります。
まずは、なぜ人が嫌いなのか。心理カウンセリングの視点から、その根本原因をみていきましょう。
人が嫌いになる根本原因
人が嫌いという時、親・友達・恋人・上司・同僚あらゆる場面で嫌いになることが多いのではないでしょうか。
- 親に否定され、怒られて育った
- 今でも親が口うるさい
- 学校でいじめられた
- 恋人には浮気されたり、大事にされなかった
- 失恋続きで、恋愛に希望が持てない
- 会社でも怒られたり、同僚と馴染めない
こういった日常の積み重ねによって人が嫌いになる訳ですが、元をたどると、やっぱり子供の頃の親子関係の影響が大きいのです。
親に否定されて、怒られたり、見捨てられる経験をすると、
親は自分のことをわかってくれない!
このように潜在意識に刷り込まれるのです。
自分の思ったことを言っても、受け入れてもらえないし、怒られて、傷つくだけ。
その結果、自分の本心を言わなくなる。
そして、親以外の他人にも、自分の本心を言わないから、いじめのターゲットになりやすいのです。
恋愛においては、満たされない心を相手に満たしてもらおうとするから、相手にしつこくなる。支配的になる。
あるいは、見捨てられたくないから、我慢して相手の機嫌をとろうとする。すると、主導権を握られ、大切にされない。
本心を言わないから、大切にされないのです。
何を考えているかわからない人は、大切にされにくいのです。(もちろん、心優しい人は大切に接してくれますが)
そして、人が嫌いという悪循環に陥ってしまうのです。
【傷つくのが怖い→本心を言わない→大切に扱われない→人が嫌い】
次以降の項目で、この悪循環から抜け出す方法について、ご紹介します。
嫌いな人が気にならなくなる方法
会社で働いていると、職場に必ず一人や二人は嫌いな人がいるものです。
- 相手が~してくる
- 相手が~してくれない
- 見ててイライラする
カウンセリングの場面で、「どうしたいですか?」「どうなったら理想的ですか?」
すると、
「“相手の言動が気にならない”ようになりたい」
このように言われることがよくあります。
「相手の言動が気にならない」ってどういうこと?
と、さらに詳しくカウンセリングしていくと、次のように言われます。
「素の自分で安心して本音が言えたら、相手の言動が気にならない」と。
そうなんです。
相手の言動が気にならなくなるには、本音を言う必要があるのです。
考え方や受け取り方を変えるだけでは、不十分なのです。
相手の気持ちを理解するだけでは、不十分なのです。
キャッチボールで例えると、相手のコントロールが良くないから、一生懸命取ろうとしているようなもの。
そして、「自分の受け止める技術が上がれば、相手のコントロールの悪さが気にならないはずだ」と思い込もうとしているようなものです。
自分の受け止める技術も必要ですが、そもそも「もっとコントロールよく投げてくれ」と、相手に伝えることが必要なのです。
そしたら、相手もコントロール良く投げようと意識してくれるようになるはずです。
本心を伝えると、相手の態度が変わる
本心を伝えることで、相手の態度が変わることがよくあります。
さて、ここで問題です。
次のAさんとBさんとでは、どちらのほうが、いじめのターゲットになりやすいでしょうか?
Aさん「おとなしくて、何を考えているか分からない」
Bさん「自分の意見をハッキリ言って、意思表示をする」
上司や先輩はどちらのほうを、いじめやすいと思いますか?
答えは、どちらとも言えません(~_~;)スミマセン
なぜなら、Aさんのように本心を言わないから、いじめられやすいこともあります。逆に、Bさんのように自分の意見をハッキリ言うことで、いじめられることもあるでしょう。
何が言いたいかというと、本心を言うことは大事なんですが、闇雲に本心を伝えるだけでは不十分だということです。
では、本心を伝えるときに、どうしたらいいか。
次の2つを参考にしてみてください。
- 相手の気持ちを尊重しながら、自分の本心を伝える。
- 自分のことを認めてくれる人に、自分の本心を伝える。
自分の言いたいことだけ言うのではなく、相手のことも大切にしながら、本心を伝える。
あるいは、そもそも、話し合いにならない人に本心を伝えても、わかってもらえないので、自分のことを認めてくれる人に、本心を伝える。
特に前者、相手の気持ちを尊重しながら、自分の本心を伝えることで、相手の態度や言動が変わってくることがよくあります。
後者は、本心を言える自分になるという意味では、人によってはこちらのほうが適切な場合もあります。
いずれにしても、どのようなやり方でも、何かしらアクションを起こして、自分の気持ちや意見を表現することで、相手との関係性は変わってきます。
役割や境界線をハッキリさせる
嫌な人のことが気にならなくなる為の方法として、もう一つご紹介します。
それは、役割や境界線をハッキリさせることです。
- 何でもかんでも押し付けてくる人
- 嫌味を言う人
仕事をしていると、どこの会社でもこのような人がいることでしょう。
仕事とは、与えられた役割を全うすること。
嫌な人のご機嫌を取る為に働いている訳じゃないし、嫌な人に振り回される為に働いている訳じゃない。
嫌いな人のご機嫌を取ることが仕事ではないはずです。あなたの仕事は何ですか?
それでも仕事に集中できない時は、事実と主観を分けることです。
- 「何回同じこと言わすの!いい加減、仕事覚えて!」
- 「何やってんの!?ホント使えない人ね!」
このように言われることがあるかもしれません。それは事実ですか?主観ですか?どちらですか?
例えば、職場のAさんが、このように言っているとしましょう。
- Aさんがそう思っているだけ!
- Aさんが怒っているだけ!
それは事実ではなく、Aさんの主観です。
したがって、Aさんの言葉(主観)を真に受けないことです。
「Aさん、あなたは私に怒っているのね」
このように、ちょっと客観的に描写してみることで、必要以上に自分を責めなくて済みます。
「Aさんが私に怒っているのは、私の問題ではなく、Aさんの問題だ」と境界線をハッキリ引くことも役立ちます。
怒られている最中というのは、頭が真っ白になるかもしれませんが、その後もAさんの言葉を引きずる時は、「Aさんは私のことで怒っていたんだな」と冷静に考えてみてください。
人間不信を治す方法
人間不信は、
他人を信じられる vs 信じられない
この2つにおいて、他人を信じられないような経験を沢山してきたからでしょう。
だから、人が嫌いということは、嫌いになるような出来事がたくさんあったはずです。
その出来事に対しての感情を吐き出すことが必要です。
未完了の感情処理
人が嫌いなのは、
- 過去に自分のことをわかってもらえなかったから。
- 過去に傷つけられたから。
- 過去に否定され続けたから。
- 過去に見捨てられそうになったから。
その時の過去の感情を消化する必要があるのです。消化しないと、心の中にずっと人が嫌いという思いが残ってしまうのです。
個人的な話ですが、私は犬が怖いのです。
子供の頃、犬に追いかけられて、嚙まれたことが一度あります。それ以来、30年たった今でも犬が怖いのです。犬に心をオープンにすることは到底できません。しかも、どんな犬に対してもです。
その時、嚙まれた特定の犬ではなく、全然知らない犬も同じように怖いのです。
同じように、人が嫌いな人は、親が怖かった、親が嫌いだった。だから、親に心をオープンにできないし、親以外にも、他人に対しても心をオープンにできない。そして、人が嫌いなのです。
日常生活の中で、犬嫌いで困ることはありませんが、人嫌いだと、とても困りますよね。
人間不信を克服する最初のステップとして、子供の頃に親から受けた、傷ついた感情や悲しかった思いを、吐き出すことです。
親に言いたかったこと、してほしかったことなど、当時の感情を洗いざらい紙に書きだすのもいいでしょう。
過去の感情をスッキリ完了させないと、次のステップに行くことができないのです。
有り難いことを思い出す
人間不信の人は、どうしても人のマイナス面に注目してしまいがちです。
従って、他人を信じられるような経験を思い出すことが役立ちます。
・この人は優しかったという人を思い出してください。
・誰かに自分が大切にされた経験を思い出してください。
・他人にしてもらって、有り難かったことを思い出してください。
世の中、捨てたもんじゃないはずです。
次に、人間について理解を深めましょう。
人間には光の部分もあれば、闇の部分があるのです。完全に善人もいなければ、完全に悪人もいないのです。
素敵な部分もあれば、嫌だなと思う部分も両方あるのです。もちろん、その割合は人によって違います。
人間不信の人は、人の嫌な部分に意識をフォーカスしすぎているのです。もしくは、関わる人を間違えているのです。
孤独感や寂しさとの向き合い方
人間不信で、誰にも心を開けず、一人ぼっちで孤独感や寂しさを感じることもあるでしょう。友達や恋人が欲しいと思うこともあるでしょう。
私たちは孤独に耐えることが難しい生き物なのです。
しかし、孤独を感じることが決して悪いわけではないのです。
なぜなら、
孤独を感じるからこそ、人と関わりたいと思うし。
孤独を感じるから、人の有難みがわかるのです。
だから、少し厳しい言い方かもしれませんが、そもそも孤独感や寂しさを乗り越える必要がないのです。
車が走る為には、ガソリンが必要です。私たち人間が幸せを感じる為には、孤独感や寂しさが必要なのです。
あぁ、わたしは一人なんだ。
と、実感することは、寂しいことではあるけれど、とても自然なことでもあるのです。
まとめ
人が嫌いなのは、過去に良い思い出がないからです。虐待やいじめなどを受けていれば尚更のことです。
しかし、人が嫌いだという一方で、やっぱり
- 人と関わりたい
- 人を好きになりたい
- 人と分かち合いたい
- 自分のことを分かってもらいたい
- もっと楽に生きたい
このような思いもあることでしょう。
人が嫌いということは、人に対してマイナス面しか見えていないということ。
もちろん、人間だから、プラスの面もあれば、マイナスな側面もことも事実。
マイナス面しか見えていないということは、プラスの面に気づく原動力になります。そして、それが人生を豊かにしていくのです。
人が嫌いというお悩みを抱えたあなたが、これから人の良い面に気づき、有難みを感じたり、嬉しさや楽しさを一緒に分かち合える体験をすることで、さらに成長していかれることを願っています。